他人事の菅官房長官 記者の質問に苛立ち募らせる 辺野古移設問われ

官邸内で記者に答える菅官房長官=2018年12月12日
日本テレビ記者に答える菅長官の表情=2018年12月12日

 菅義偉官房長官は12日午後首相官邸で行った記者会見で、自らの今年の漢字1文字を日本テレビ政治部記者に問われ、成功の「成」を選んだ。菅長官は「今年は地震や豪雨などの災害が相次いだ年だったと思う。強いて1字挙げるとすれば、成功の成の字を挙げたい。この1年間で70年ぶりの働き方改革や漁業法などの様々な改革を成し遂げることができたから」と述べた。

 同社記者の質問に上機嫌で語った菅長官だったが、次の東京新聞、望月衣朔子記者の厳しい質問に態度を一転させ、不機嫌に答えた。

東京新聞望月衣朔子記者に答える菅長官の表情=2018年12月12日

 望月記者は沖縄のヘリ窓枠落下事故のあった普天間第二小(桃原修校長、児童644名)で今年2月から12月までの間、693回にわたり児童が避難していることに触れた。同校長は授業中断によって児童にストレスを与え、教育を受ける権利が著しく損なわれていると訴えているが、事故後からまったく状況が改善されていないと厳しく指摘。その上で「先ほど成功の成という話をしたが、政府は米軍に対してどう改善を求めているのか」と質問した。これに対し菅長官は「(沖縄)防衛局で適切に対応している」と、文字起こしでわずか13文字述べただけだった。

 続いて望月記者は辺野古の土砂投入問題についても質問。その中で「防衛省が沖縄県の赤土等流出防止条例届け出が必要という指導を赤土でないとして無視しているが、(投入予定の土砂には)赤土が明らかに混ざっていて、条例のすり抜けを政府が画策しているようにしか見えない」と指摘、最後に「安倍首相は重ねて県民の思いに寄り添うと発言しているが、この発言をそもそも撤回すべきではないか」と厳しく追求したが、菅長官は「全く考えていない」と顔色一つ変えず回答。

 望月記者の前に質問した共同通信、日本経済新聞、日本テレビの3社記者には何の制限もしなかった進行司会の官邸関係者は、望月記者のわずか1分の質問に「早くしてください」「質問は明確に」とたびたび「横ヤリ」を入れた。「ご指摘はあたらない」「質問に答える場ではない」と、答えない権利を濫用する菅長官の姿勢には、たびたび疑問が投げかけられている。また追求する立場の記者たちも、官邸関係者の「横ヤリ」になんら抗おうとしない。民主主義を守るという大層なスローガンを掲げる我が国の記者は、まるで政府の飼い犬のようなみっともなく、いじましい姿をさらけ出している。

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