腐った卵は腹を壊す 腐ったNHKは国を壊す

 世界に冠たる我が国の公共放送はここまで酷いものだったのかとため息をつく。いやしくも公共放送がこのようなジョーク路線に走ることが許されるのか。これでは政治との対峙なんて出来っこないし、ましてや政府批判なんて完全なタブーになってしまう。

 元々NHKは公権力、特に政府与党に引け腰になりやすい、NHKの予算は国会が承認して初めて決定するからだ。万が一予算が提出されなかったり、否決されれば経営が立ち行かなくなる。この政治に対するひ弱な姿勢はここ数年でとても酷いものになった。

 NHKの姿勢が酷くなったのは第二次安倍政権の発足後から。民主党を徹底的に批判していた頃の報道姿勢は、安倍政権には行わなかった。そして2014年に就任した籾井勝人会長の元で、NHKの姿勢は決定的に変わった。籾井氏は公共放送のトップとしての資質に欠く人物であったことは疑いようがない。権力と対峙するという観念を投げ捨てた籾井氏は、自らの就任会見の際に特定秘密保護法を記者に問われこう答えた。「一応通っちゃったんで、言ってもしょうがないんじゃないかと思う」-。表現、言論の自由を著しく損なう恐れのある悪法の成立に対し、なんの意見も述べなかった。

 籾井体制の元、NHKは更に腐敗の一路を辿る。この頃から官邸、与党贔屓の偏向報道はますます酷くなって行く。国政に関する報道に時間をかけない、取り上げても数分の短い尺で特にコメントも解説もなく終わる。野党の野次は取り上げても、首相の野次は「自席発言」と置き換える。太鼓持ちのような政治部記者を出演させ、長々とどうでも良いことを訴えるなど、挙げ続ければキリがない。

 この「官邸、与党贔屓」の報道が最も顕著となったのは、夜7時の「ニュース7」と、同9時の「ニュースウオッチ9」の2番組だろう。新聞で言えば3面記事に載るようなニュースを冒頭から複数本投げ込み、政治報道を後回しにする。アナウンサーが意見を述べることはなく、本当にただ流すだけで終わらせてしまう。ニュースウオッチ9に至っては、NHK政治部の記者を出演させ、やはり太鼓持ちのような解説をさせる。この繰り返しが4年以上にわたって続いている。NHKの顔とも言える看板”報道”番組がこのような有様で、どうして権力と対峙することができるか。

 またここ数年、NHKは国会質疑をニュースで取り上げる場合、必ず与野党の両論併記を行うよう丹念に配慮しているようだ。特定秘密保護法、安全保障関連法、共謀罪新設法などで幾度となく繰り返された。 国会論戦を取り上げる場合、必ず野党の追求から映し出し、それに対し答える与党議員という構図になる。嘘だと思うなら国会会期中のNHK報道を見てみれば良い(2017年に発覚した森友・加計学園疑獄事件では一時的にこの制約が外れたのか、唯一与党の釈明から野党の追求で終わっていた)。

電車内の中吊り広告-ではなく、NHKのウェブサイトに掲載されているコンテンツ=2019年1月5日現在掲載中

 2、30のエリート”若造”共が偉そうな面を引っさげ、視聴者に延々と政権擁護の解説を垂れ流すNHKには岩田明子記者、小池英夫報道局長の2悪党がいる。岩田明子記者-首相の大活躍の際は勿論、首相が疑獄事件などで窮地に立たされたり、外交問題で存在感を失った時、彼女は必ず報道番組に出演する、時と場所を選ばずに。小池報道局長-声にあどけなさというか、幼稚さが残る氏は報道局長に抜擢されて以来、大きな権力を局内で振りかざしている。彼の権力は時に、遠く離れた大阪放送局に圧力をかけたり、ニュース番組でスクープを潰す。スクープした記者を左遷させる。この他、名もなき小物が政治部に数人いるが、どれも岩田記者や小池局長の劣化版のようなものなので、取り上げる気もしない。たまに番組に出てきたと思えば、どうしょうもないことを延々と垂れ流す。

ヤジは自席発言、共謀罪はテロ等準備罪、改ざんは書き換え

 2015年、当時の安全保障関連法を巡って国会が紛糾し、安倍首相が野党議員に野次を飛ばした時、NHKは珍妙なテロップをニュースで流した。NHKに言わせればヤジは”自席発言”であるという。「早く質問しろよ」というヤジは矮小化されて報じられ、しかも数分のストレートニュースで流されて終わった。

NHKの言葉の”書き換え”は更に続く。2017年に焦点となった共謀罪法(組織的犯罪処罰法)を巡る報道では、全てのニュースで「組織的犯罪処罰法、いわゆるテロ等準備罪」という報じ方をした。これだけならいつものことだが、この間、NHKはテレビ・ラジオを含めてたった一度たりとも国会中継をしなかった。国会のやり取りの醜さを世間に中継すれば、反対世論が噴出するおそれがあると踏んだのか、官邸に露骨に配慮したのかわからないが、NHKは全て決まってから「可決されました」とアリバイ作りのような報道をしていた。共謀罪-多くの国民にとって、いつの間にか密室で決まり、そして施行されていたというのが正直なところだろう。ちなみに同法が法務委員会で強行採決された同年5月7日、NHKニュース7はこのような解説を付け加え、全国に放送した。

 森友・加計学園疑獄事件(諸外国では「アベ・ゲート事件」とも揶揄された)の際、財務省に保管されている公文書が「改ざん」されて国会に提出された際には、民放テレビ局が「改ざん」と報道するまで、印象をより柔らかなものとする「書き換え」という言葉を用いて報道した。これで公権力の監視をしていると、どの口が言うのか全く理解できない。

自民党総裁選で激しく突き刺さったテロップ、民放のバラエティ番組でないことは、右上にあるテロップから窺い知れよう

 忖度・談合とでも言える報道が頂点に達したのは2018年9月の自民党総裁選で、安倍首相が自民党総裁3選を果たした時のテロップだろう。民放のバラエティ番組と見間違うかのような過剰なテロップを左から右に突き刺し、でかでかと「安倍首相3選」と茶の間に垂れ流した。

 安倍首相の代弁を続ける政治部記者が発言力を増し、報道局長に首相批判を潰す人物を登用したNHKにもはや権力の監視なんて望めない。一時期は「NHKも頑張っている」「NHKにも良心のある記者がたくさんいる」と言われていた。ならば反論しよう。「それではなぜ、NHKは権力に近い記者を追い出さず、逆に権力に媚を売り、懇ろになる記者を幹部に登用しているのですか」と。そして今後、NHKは完全に権力監視を放棄することになるだろう。あの年末調整の時に書き連ね、サイフの中に眠っていて場所をとるだけの「小さなゴミ」にしかならなかったマイナンバーを使い、NHK受信料の支払いを義務化しようとしている。これが実現すれば、政治がNHKに恩を売ったことになる。それはNHKの死を意味するだろう。

 さて、あまり気の利いた締めくくりのコメントが思い浮かばないので、月並みな文言で締めくくろう。「腐った卵を食べても、およそ腹を下して話は終わる。しかし腐ったNHKがのさばり続ければ、やがて国を壊すだろう」。

コメントはこちらから

メールアドレスは公開されませんのでご安心ください。また、* が付いている欄は必須項目となります。

内容に問題なければ、下記の「コメントを送信する」ボタンを押してください。

ページの先頭