送月現語 2019年1月25日

 今から4年前、安全保障関連法が世間の注目を集め、大規模な抗議デモが都内で行われていた。学生から老人まで、幅広い人々が集まって行われた抗議活動は連日国会議事堂前を取り囲み、毎日数千人、時には数万人の人が集まったことを今でも覚えている

 ▼そんな中、突然安保法賛成デモを行う奇妙な学生団体が現れた。勝共ユナイト(UNITE)と名乗る不思議な団体名でふと”あの団体”を思い出した。90年代始め、韓国・ソウルで開かれる合同結婚式の模様がテレビのワイドショーで流され、また日本人嫁が世界中に嫁がされる被害が続出し、社会問題になった統一教会のことを。後年出版された日刊SPA(扶桑社)の記事に、合同結婚式に参加したユナイトのメンバーが掲載されていた(やや日刊カルト新聞調べ)

 ▼1997年、アジア通貨危機により韓国経済が完全に破綻した。その翌年に埼玉県で開かれた教団の内部ビデオが告発され、報道で詳らかになった。教祖の故文鮮明氏は、韓国が大きな危機に直面しているとし、信者一家族ごとに160万円の献金が求められた。誓約書に自分の夫や妻の名前、電話番号に所属、自分の所有権の内容ー車や家、土地などすべての物を書かされ、洗脳されて身ぐるみすべて教団に奪われた。その頃の統一教会の印象は最悪の時期だった

 ▼それより前の1985年、朝日新聞社の出版する「朝日ジャーナル」が統一教会の原理運動(布教)を批判するキャンペーン記事を掲載したところ、朝日新聞東京本社に4万6千本の抗議電話がかけられ、築地電報電話局の電話回線がパンクした。翌年には同誌で統一教会を批判するキャンペーン記事を連載していたある記者の自宅が同教団に突き止められ、自宅周辺を怪しい男がうろついたという

 ▼そして同年12月半ばから翌年1月までの間、国民から強い批判と反対の声を上げられ、提出した党内の議員からも公然と批判されたあの「国家秘密法案」(スパイ防止法、頓挫)の報道姿勢を巡り、連日統一教会の街宣車が東京・築地の同新聞本社を取り囲んだ。そして東京本社に散弾銃が打ち込まれ、兵庫県西宮市の同新聞阪神支局に散弾銃を持った男が侵入し、記者を射殺する事件が起きた。その後東京本社に届けられた手紙には、奇しくも東京、阪神襲撃で使われたものと同じ散弾銃の薬莢が入っていて、文面には「とういつきょうかいのわるくちをいうやつはみなごろし(原文ママ)」とあった

 ▼統一教会は今、世界平和統一家庭連合と名を変えた。しかしその実態は殆ど変わっていないと言われる。そして自由民主党と名乗る政党には、埼玉県大宮市で開かれた統一教会の決起集会に参加する閣僚や、合同結婚式に祝電を送る元官房長官(現首相)、そして公然と教団派遣の秘書を受け入れる議員がいるそうだ。まさか、と思いたい話だが。

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